イラン泣き寝入りで原油下落株価上昇、トランプ大統領がカナダに再び関税鉄槌、日本は参院選(金融日記 Weekly 2025/6/20-2025/6/27)
公開日: 2025年06月29日 X
TOPIX: | 2840.54, | +2.5% (1w), | +1.4% (YTD) |
Nikkei225: | 40150.79, | +4.6% (1w), | +0.6% (YTD) |
S&P500: | 6173.07, | +3.4% (1w), | +5.0% (YTD) |
USD/JPY: | 144.69, | -0.9% (1w), | -7.8% (YTD) |
EUR/JPY: | 169.51, | +0.7% (1w), | +3.8% (YTD) |
Oil(WTI Futures): | 65.52, | -12.6% (1w), | -8.6% (YTD) |
先週末に懸念された米国によるイラン奇襲攻撃後の大規模な中東戦争への発展は、イラン側が事実上の「泣き寝入り」を選択し、イスラエルとの停戦が(形だけでも)維持されたことで、一旦は回避された。これを受けて原油価格は下落に転じ、世界の株式市場は上昇。特に米国株式市場は好調で、利下げ観測にも後押しされ、S&P500やナスダック指数は史上最高値を更新した。しかし、市場の主役であるハイテク業界では、中国の小米(Xiaomi)が発表した新型EV「YU7」が「モデルYキラー」として爆発的な人気を呼び、わずか3分で20万台の受注を記録。この影響でテスラ株が下落する場面も見られた。
しかし、楽観ムードは金曜日の取引終了を前に一変した。トランプ大統領がカナダのデジタルサービス税に反発し、通商交渉の「即時終了」を宣言。再び懲罰的な関税という鉄槌を下すことを示唆したことで、市場には再び暗雲が立ち込めたのである。
この結果、米国株のテーマは再び「関税戦争」へと回帰し、一方の日本株は7月20日投開票の参院選が最大の焦点となりそうだ。自民党は「全国民に2万円」の現金給付を公約に掲げているが、先日の都議選で都民ファーストの会に第1党の座を奪還されたことで、公明党と合わせても与党の苦戦が予想される。与党による「ヘリコプターマネー」とも言える現金給付に加え、米国の利下げ観測から日銀は利上げに踏み切りにくい状況となり、国内のインフレをさらに助長するとの懸念が浮上している。
●イスラエル・イラン、停戦維持 共に勝利宣言、火種残る―核協議の再開焦点
https://www.jiji.com/jc/article?k=2025062500901
●都議選、都民ファーストが31議席で第1党奪還 自民は大敗21議席
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCC0815G0Y5A600C2000000/
●小米の新EV「モデルYキラー」、3分で受注20万台 テスラ株下落
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN27E3R0X20C25A6000000/
●米国株式市場・午前=S&P・ナスダック過去最高値に迫る、利下げ観測が後押し
https://jp.reuters.com/markets/us/45DRCGGBAZO6XOYGTQDDS7XGXM-2025-06-26/
●トランプ氏、カナダとの通商交渉「即時終了」 デジタル税に反発
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN27E630X20C25A6000000/
●参院選比例投票先は自民24%、現金給付「評価しない」66%…読売世論調査
https://www.yomiuri.co.jp/election/yoron-chosa/20250629-OYT1T50115/
米個別銘柄の週間パフォーマンス (2025/06/20-2025/06/27)
出所: Google Finance, Yahoo!Finance
中国個別銘柄の週間パフォーマンス (2025/06/20-2025/06/27)
出所: Google Finance, Yahoo!Finance
日本個別銘柄の週間パフォーマンス (2025/06/20-2025/06/27)
出所: 会社四季報、Yahoo!ファイナンス
直近1年の日経平均株価とインプライド・ボラティリティの推移
出所: 日経新聞社
直近1年のドル円とユーロ円の推移
出所: セントラル短資
イールドカーブ (2025/06/27)
出所: Bloomberg.com
主要通貨の週間パフォーマンス (2025/06/20-2025/06/27)
出所: セントラル短資
直近1年のS&P500種指数と原油価格の推移
出所: Yahoo!ファイナンス、Bloomberg.com
地域別株価指数とコモディティの週間パフォーマンス[USD] (2025/06/20-2025/06/27)
出所: iShares: MSCI Japan (EWJ), MSCI Kokusai (TOK)、MSCI Core Europe (IEUR), MSCI All Country Asia Pacific ex Japan (AAXJ), MSCI Emerging Markets (EEM), GLOBAL REIT ETF (REET). Bloomberg.com: Oil WTI Futures (CL1), Gold Futures (GC1)
今週のマーケット・イベント
6月30日(月)
日5月鉱工業生産指数
中国6月製造業購買担当者景気指数(PMI)
決算:Jフロント、高島屋、他
7月1日(火)
日6月日銀短観
日6月消費動向調査
日6月新車販売台数
中国6月財新製造業購買担当者景気指数(PMI)
米6月ISM製造業景況指数
米5月雇用動態調査(JOLTS)求人件数
休場:香港
7月2日(水)
日6月マネタリーベース
米6月ADP雇用統計
7月3日(木)
日30年国債入札
米6月雇用統計
米5月貿易収支
米5月製造業新規受注
米6月ISM非製造業景況指数
決算:キューピー、他
7月4日(金)
日5月家計調査
決算:安川電、他
休場:米(独立記念日)
7月5日(土)
7月6日(日)