高市内閣支持率70%以上でスタート、レアアースを巡る米中通商交渉はAPECでの習トランプ会談に向け前進(金融日記 Weekly 2025/10/17-2025/10/24)
公開日: 2025年10月26日 X
| TOPIX: | 3269.45, | +3.1% (1w), | +16.7% (YTD) |
| Nikkei225: | 49299.65, | +3.6% (1w), | +23.6% (YTD) |
| S&P500: | 6791.69, | +1.9% (1w), | +15.5% (YTD) |
| USD/JPY: | 152.81, | +1.5% (1w), | -2.7% (YTD) |
| EUR/JPY: | 177.74, | +1.3% (1w), | +8.8% (YTD) |
| Oil(WTI Futures): | 61.50, | +6.9% (1w), | -14.2% (YTD) |
国内では、高市早苗内閣が発足し、主要閣僚の顔ぶれも固まった。注目された発足直後の支持率は、日経新聞調査で74%、日本テレビ調査で71%と極めて高く、2000年以降で4番目の高さとなった。この高支持率を背景に、早期の衆議院解散・総選挙に踏み切るのではないかとの憶測も流れたが、高市首相自身はこれを否定している。しかし、トランプ政権に半ば「献上」することになった80兆円の対米投資(ラトニック商務長官の説明を聞く限り投資ではなく敗戦国の賠償金並みの金額の譲渡である)の行方など、新政権の課題は山積している。
米国株式市場は高値圏での推移が続いている。AI関連企業の循環取引的な利益計上による「AIバブル」崩壊を懸念する声は根強いものの、市場の熱狂は依然として続いている。シリコンバレーで影響力を持つAndrej Karpathy氏によるAIの現実的な進捗に関するインタビューが話題となるなど、市場は過熱と冷静の間で揺れ動いている状況だ。
そして、世界経済の最大の懸念材料である、中国のレアアース輸出規制を巡る米中対立は、週末にかけて行われた通商交渉で、緊張緩和に向けた一定の前進が見られた模様である。中国が握る経済核兵器とも言えるレアアースカードを前に、アメリカ側が譲歩することは最初から分かっていたが(アメリカ側に決定的なカードはない)、問題は中国側がどこまで押し込むかであった。今後はさらに米中が妥協案を詰めていくことになるが、今月末に韓国・慶州で開催されるアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議までに合意案がまとまり、トランプ大統領と習近平国家主席による直接会談が実現するかどうかに市場は注目している。
●経産相に赤沢亮正氏、経済財政相に城内実氏 高市内閣顔ぶれ固まる
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA190FG0Z11C25A0000000/
●高市内閣支持率74%、現役世代戻り自民支持も上昇 日経世論調査
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA245BT0U5A021C2000000/
●高市内閣の支持率71% 2000年以降4番目の高さ「解散」警戒感広がる
https://news.ntv.co.jp/category/politics/1159806ecefa413f9fa09cdfe6e80302
●熱狂AI相場バブルか新常態か PER最高水準、巨額投資の成果未知数
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB244L20U5A920C2000000/
★トランプ政権になかば「献上」することになっている日本の国家予算にも匹敵する80兆円の扱いがどうなるのか、注視する必要がある。
https://x.com/kazu_fujisawa/status/1982347965403730424
★米シリコンバレーで影響力のあるAndrej Karpathy氏がAIの現実的な進歩や現状をインタビューで答え、話題になっている。
https://x.com/kazu_fujisawa/status/1982304767453118689
●週刊金融日記 第700号 中国が独占状態のレアアースと希少金属:アメリカ経済を破滅させることができるカード、他
https://www.kinyuunikki.com/newsletter/Vol700-20251013-WestChokepoint-RareEarths.html
●週刊金融日記 第701号 中国が見せた必殺レアアースのカードを前に緊迫する米中通商交渉の行方を予測する、他
https://www.kinyuunikki.com/newsletter/Vol701-20251020-HowChinaPlayRareEarthCard.html
●米中、包括的な貿易合意に向け前進-トランプ・習会談で最終協議へ
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2025-10-26/T4PXPVGOT0JK00
★究極的には中国がレアアースのカードを使うと圧力をかければ、アメリカ側は折れるしかないわけで、通商交渉で中国の台湾統一がいくらか前進する可能性まである。
https://x.com/kazu_fujisawa/status/1982289248935117055
米個別銘柄の週間パフォーマンス (2025/10/17-2025/10/24)

出所: Google Finance, Yahoo!Finance
香港個別銘柄の週間パフォーマンス (2025/10/17-2025/10/24)

出所: Google Finance, Yahoo!Finance
日本個別銘柄の週間パフォーマンス (2025/10/17-2025/10/24)

出所: 会社四季報、Yahoo!ファイナンス
直近1年の日経平均株価とインプライド・ボラティリティの推移

出所: 日経新聞社
直近1年のドル円とユーロ円の推移

出所: セントラル短資
イールドカーブ (2025/10/24)

出所: Bloomberg.com
主要通貨の週間パフォーマンス (2025/10/17-2025/10/24)

出所: セントラル短資
直近1年のS&P500種指数と原油価格の推移

出所: Yahoo!ファイナンス、Bloomberg.com
地域別株価指数とコモディティの週間パフォーマンス[USD] (2025/10/17-2025/10/24)
![地域別株価指数とコモディティの週間パフォーマンス[USD]](charts/Chart20251025_WrdEquity.png)
出所: iShares, Bloomberg.com
今週のマーケット・イベント
10月27日(月)
日9月企業向けサービス価格指数
米9月耐久財受注
独10月Ifo景況感指数
決算:キヤノン、日東電、塩野義、他
10月28日(火)
米8月S&Pケースシラー住宅価格指数
米10月消費者信頼感指数
FOMC(-10/29)
決算:アドバンテ、野村、中部電、シマノ、他
10月29日(水)
日銀金融政策決定会合(-10/30)
日10月消費動向調査
パウエルFRB議長会見
決算:キーエンス、コマツ、JR東海、カプコン、東ガス、JPX、Alphabet、Microsoft、Boeing、Caterpillar、他
10月30日(木)
植田日銀総裁会見
日銀展望レポート
米7-9月期GDP(速報)
ECB定例理事会(ラガルド総裁会見)
決算:日立、JT、富士通、武田、パナソニック、JR東日本、Apple、Amazon、Mastercard、他
10月31日(金)
日9月失業率・有効求人倍率
日10月都区部消費者物価指数(CPI)
日9月鉱工業生産指数
日9月商業動態統計
米9月個人所得
米9月個人消費支出
中国10月製造業購買担当者景気指数(PMI)
アジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議(-11/1 韓国・慶州)
決算:東エレク、三菱電、HOYA、第一三共、デンソー、村田製、住友商、ファナック、SBI、レーザーテク、Chevron、 ExxonMobil、他
11月1日(土)
11月2日(日)