キオクシアはピークから半値、韓国KOSPIは強制ロスカットの雪崩で阿鼻叫喚、NVIDIAフアンCEOが神田でもつ鍋!依然として半導体供給は全く足りない(金融日記 Weekly 2026/7/10-2026/7/17)
公開日: 2026年7月19日 X
| TOPIX: | 3919.21, | -2.9% (1w), | +14.4% (YTD) |
| Nikkei225: | 64141.12, | -6.4% (1w), | +27.4% (YTD) |
| S&P500: | 7457.69, | -1.6% (1w), | +8.9% (YTD) |
| USD/JPY: | 162.35, | +0.4% (1w), | +3.8% (YTD) |
| EUR/JPY: | 185.76, | +0.7% (1w), | +1.1% (YTD) |
| Oil(WTI Futures): | 82.49, | +15.5% (1w), | +43.7% (YTD) |
先週(7月10日-17日)の株式市場は、AIツルハシ相場の巻き戻しが、単なる利益確定から追証と強制決済を伴う本格的なデレバレッジへ発展した一週間となった。S&P500は週間で1.6%、TOPIXは2.9%下落したが、値がさ半導体株の影響を強く受ける日経平均は6.4%安と突出して下げた。ドル円は162円台までむしろ円安が進んでおり、今回の日本株急落を為替で説明することはできない。
個別株を見ると、キオクシア(-32.3%)、Micron(-13.3%)、TSMC(-8.2%)、Broadcom(-7.3%)が叩き売られる一方で、これまで「AIにやられる側」として売られてきたAccenture(+6.2%)、Adobe(+6.1%)、Salesforce(+4.6%)などには強烈な買い戻しが入った。これは景気後退を一様に織り込む全面的なリスクオフではなく、今年最も混み合っていたトレードのひとつが逆回転したと見るべきだ。また、前号では市場が中東情勢を「またいつものことか」と完全にスルーしていると書いたが、先週はさすがに無視できなくなった。米国とイランの軍事衝突が地域インフラとホルムズ海峡の物流に波及するなか、WTI原油先物は週間で15.5%も急騰し、Chevron(+6.2%)やExxon Mobil(+6.1%)が逆行高となった。
★混み過ぎだったAI半導体ロングのヘッジファンドのポジションのアンワインドや個人の強制ロスカットが重なってしまったようだ。
https://x.com/kazu_fujisawa/status/2078118626021048731
皮肉なことに、AI向けを中心とする先端半導体需要は「超絶好調」だった。ASMLのQ2売上高は93.26億ユーロ、粗利益率は54.0%と会社ガイダンスを上回り、2026年通期の売上高見通しを430億~450億ユーロへ引き上げた。TSMCも粗利益率67.7%、営業利益率60.3%という凄まじい数字を叩き出し、年間設備投資計画を600億~640億ドルへ引き上げた。さらに先週は、NVIDIAのジェンスン・フアンCEOが来日し、神田の大衆居酒屋で日本の半導体企業トップらともつ鍋をつつきながら、日本の半導体産業の復活にエールを送るというニュースも話題を呼んだ。ASMLとTSMCが揃って示しているのは「需要の失速」ではなく、「先端半導体の需要が極めて強く、その需要に応えるため供給能力の増強を急いでいる」という現実である。
それにもかかわらず、株価は暴落した。理由は明白で、市場は決算を読んでいたのではなく、「ポジション」を清算したからだ。キオクシアは6月22日の上場来高値11万2700円から、1カ月足らずで半値以下の5万2110円まで叩き売られた。しかし、これは世界のNAND需要が半減したからではない。半分になったのは、過熱した株価と買い方の証拠金余力である。韓国市場はさらに凄惨だった。SKハイニックスの暴落が単一株レバレッジETFの強制的な売買を通じて増幅され、追証や強制決済を誘発する悪循環となった。13日にはKOSPIが約9%急落してサーキットブレーカーが発動し、韓国株式市場の取引が20分間停止する事態となった。16日にも半導体株への売りが再燃し、プログラム売買を一時停止する「サイドカー」が発動した。
中国AIのKimi K3などの躍進で、米国勢のAI投資回収への懸念がささやかれているが、筆者はこれは的外れだと考える。モデル層での競争激化は、AIサービス企業の投資採算を厳しくする一方で、ハイパースケーラー同士の「AI軍拡競争」をさらに加速させる要因にもなる。筆者の見方は変わらず、データセンターへの設備投資は少なくとも現時点では予定通り進み、メモリ半導体のスーパーサイクルは継続すると考えている。信用でパンパンにして焼かれた個人投資家たちの残骸を尻目に、これまで高値掴みを恐れて指をくわえて見ていた投資家にとっては、時間を分散して拾っていく押し目である。
今週最大の焦点は、22日のAlphabet(Google)の決算だ。ASMLが装置側から、TSMCが製造側から「先端半導体需要は極めて強い」と示した今、Alphabetが需要側から「それでもまだ足りない」と巨額の設備投資を継続する姿勢を見せるかどうかが、相場反転の重要な試金石となる。
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●週刊金融日記 第739号 メモリ半導体株(Micron、SK hynix、Samsung、Kioxia)の低PERは歴史的なミスプライスなのか 前編、他
https://www.kinyuunikki.com/newsletter/Vol739-20260714-MemoryStocksHistoricalMispricingPart1.html
★ASMLの決算は期待通りに、期待を上回る好決算。先端半導体の需要は引き続き強い。(Xサブスク)
https://x.com/kazu_fujisawa/status/2077390390924386314
★TSMCの決算も期待を上回り、引き続き極めて強い先端半導体の需要を確認した。(Xサブスク)
https://x.com/kazu_fujisawa/status/2077438652377096523
●三菱UFJが時価総額首位 銀行、40年越し「復権」 金利上昇、海外成長追い風
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO97533800U6A710C2MM8000/
●日経平均下げ幅歴代5位 キオクシア半値割れ、AI成長に疑念の連鎖
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB164SSTW6A710C2000000/
●キオクシアHD株、最高値から1カ月弱で半値-時価総額31兆円消失
https://www.bloomberg.com/jp/news/articles/2026-07-17/THU9F9KJH6V600
●韓国株急反落、半導体売り再燃 SKハイニックス一時12%超安
https://jp.reuters.com/opinion/O5H5DWXK4VNFVPZB6LJAKUJSZQ-2026-07-16/
●中国AI・Kimiの衝撃、米専門家「アンソロピック最新型と僅差」
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN17CN50X10C26A7000000/
●NVIDIAファン氏、日本半導体にエール もつ鍋囲んだ経営者の顔ぶれ
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC1670G0W6A710C2000000/
★革ジャンことNVIDIAのフアンCEOが東京を訪れセガのイベントやキオクシア太田社長らとの会食に参加した。
https://x.com/kazu_fujisawa/status/2078702069327003902
●SKグループ会長「SKハイニックス株はじっと持っていれば右肩上がり」
https://japan.hani.co.kr/arti/economy/56730.html
米個別銘柄の週間パフォーマンス (2026/07/10-2026/07/17)

出所: Google Finance, Yahoo!Finance
香港個別銘柄の週間パフォーマンス (2026/07/10-2026/07/17)

出所: Google Finance, Yahoo!Finance
日本個別銘柄の週間パフォーマンス (2026/07/10-2026/07/17)

出所: 会社四季報、Yahoo!ファイナンス
直近1年の日経平均株価とインプライド・ボラティリティの推移

出所: 日経新聞社
直近1年のドル円とユーロ円の推移

出所: セントラル短資
イールドカーブ (2026/07/17)

出所: Bloomberg.com
主要通貨の週間パフォーマンス (2026/07/10-2026/07/17)

出所: セントラル短資
直近1年のS&P500種指数と原油価格の推移

出所: Yahoo!ファイナンス、Bloomberg.com
地域別株価指数とコモディティの週間パフォーマンス[USD] (2026/07/10-2026/07/17)
![地域別株価指数とコモディティの週間パフォーマンス[USD]](charts/Chart20260718_WrdEquity.png)
出所: iShares, Bloomberg.com
今週のマーケット・イベント
7月20日(月)
米6月景気先行指数
休場:日本(海の日)
7月21日(火)
日6月首都圏マンション販売
日6月百貨店売上高
独7月ZEW景況感指数
7月22日(水)
日6月貿易収支
日40年国債入札
米20年国債入札
決算:Alphabet、Tesla、Texas Instruments、他
7月23日(木)
ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁会見
決算:Intel、他
7月24日(金)
日6月全国消費者物価指数(CPI)
米6月新築住宅販売件数
決算:信越化、中外薬、他
7月25日(土)
7月26日(日)