金融日記


AIツルハシ株大暴落で相場が大逆流、今後もAIツルハシ株に乗り続けても良いのか!?(金融日記 Weekly 2026/6/26-2026/7/3)

公開日: 2026年7月5日 X


TOPIX: 4064.60, +2.6% (1w), +18.6% (YTD)
Nikkei225: 69744.07, +0.6% (1w), +38.5% (YTD)
S&P500: 7483.24, +1.8% (1w), +9.3% (YTD)
USD/JPY: 161.34, -0.3% (1w), +3.1% (YTD)
EUR/JPY: 184.56, +0.2% (1w), +0.5% (YTD)
Oil(WTI Futures): 68.78, -0.7% (1w), +19.8% (YTD)

 先週(6月26日-7月3日)の株式市場は、表面的にはS&P500が週間で1.8%上昇、日経平均株価も0.6%上昇と底堅く推移したように見えるが、その水面下では凄まじい資金の大逆流(リバーサル)が起きていた。これまで市場を一直線に牽引してきた「AIツルハシ株」が突如として大暴落に見舞われたのである。
 このパニック売りの引き金となったのは、巨大テック企業側の動きである。メモリ価格の異常な高騰に耐えかねたAppleが、中国からのメモリー調達を検討し、中国のDRAM企業CXMT(長鑫メモリ)から買えるよう米政府に働きかけていることが報じられ、半導体株が下落した。さらに、これまで巨額のAI投資を行ってきたMetaが、自社の巨大なクラウドインフラ事業に踏み出し、AIデータセンターの計算リソースを他社に提供するとのニュースも飛び込んできた。これらの報道は、無限に続くと思われていたAI半導体の需給逼迫が緩和に向かうのではないかという市場の警戒感を一気に高めた。
 その結果、我が世の春を謳歌していたメモリ半導体や製造装置メーカーの株価はナイアガラの滝のように崩れ落ちた。米市場ではAIツルハシの筆頭格であるマイクロンが週間で13.8%も暴落した。日本市場でも、連日高値を更新していたキオクシアが急落し7万円の防衛ラインに迫る事態となり、アドバンテストも暴落するなど、AIツルハシ銘柄は軒並み凄まじい投げ売りに見舞われた。
 一方で、このツルハシ株から逃げ出した莫大な資金は、これまで不調だった銘柄群へと一気に流れ込んだ。米国では調達先の多様化を狙うAppleが週間で8.8%上昇し、リソースの外部提供を発表したMetaも5.9%上昇するなど、買う側の巨大テックが息を吹き返している。日本市場でも、東京海上、任天堂、リクルートといった、AIバブルの蚊帳の外に置かれていた大型株がリバーサルを見せ、相場全体を支える形となった。
 では、AIツルハシ相場はこれで終わってしまったのか。筆者の結論から言えば、答えは否である。Appleが中国企業に泣きつくこと自体が、依然としてDRAMもNANDも世界的に供給が極限まで逼迫していることの裏返しに他ならない。ハイパースケーラーやOpenAIによるAIデータセンターへのCapEx(設備投資)競争は国家覇権をかけた戦いであり、これからも衰えることはない。また、NVIDIA製のどれだけ高価なAIラックを買っても、ハイパースケーラーはAIデータセンターで元が取れており、需要を捌き切れていない。明らかにAIラックを買えるだけ買う理由がある。ツルハシ株のバリュエーション調整はしばらく続くかもしれないが、ファンダメンタルズの強さは全く揺らいでおらず、これまで高値掴みを恐れて買い損ねていた投資家にとっては、押し目買いの機会になるだろう。

●週刊金融日記 第736号 AIツルハシ銘柄相場はまだ続くのか?いまから買うなら何を買うべきか考えました、他
https://www.kinyuunikki.com/newsletter/Vol736-20260623-OnlyAIPicksAndShovelsWin.html

●AIに巨額投資のメタ、クラウドインフラ事業に踏み出す本当の狙い
https://www.bloomberg.com/jp/news/articles/2026-07-02/THJOS3T96OSG00

●Appleが中国からメモリー調達検討、半導体株下落 サンディスク14%安
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN02CNJ0S6A700C2000000/

●週刊金融日記 第737号 Micronと立場が逆転したAppleが泣きつく中国のDRAM企業CXMT(長鑫メモリ)について解説します、他
https://www.kinyuunikki.com/newsletter/Vol737-20260629-CXMT.html

●キオクシア株価、急落で迫る7万円「防衛ライン」 投げ売り加速警戒
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOFL0243ZTS6A700C2000000/

●米マイクロン、広島で最先端メモリー生産へ 1.5兆円投資で新棟起工
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC03C0R0T00C26A7000000/

メルマガを購読 → note夜間飛行ブロマガまぐまぐ

米個別銘柄の週間パフォーマンス (2026/06/26-2026/07/03)

米個別銘柄の週間パフォーマンス

出所: Google Finance, Yahoo!Finance

香港個別銘柄の週間パフォーマンス (2026/06/26-2026/07/03)

香港個別銘柄の週間パフォーマンス

出所: Google Finance, Yahoo!Finance

日本個別銘柄の週間パフォーマンス (2026/06/26-2026/07/03)

日本個別銘柄の週間パフォーマンス

出所: 会社四季報、Yahoo!ファイナンス

直近1年の日経平均株価とインプライド・ボラティリティの推移

直近1年の日経平均株価とインプライド・ボラティリティの推移

出所: 日経新聞社

直近1年のドル円とユーロ円の推移

直近1年のドル円とユーロ円の推移

出所: セントラル短資

イールドカーブ (2026/07/03)

イールドカーブ

出所: Bloomberg.com

主要通貨の週間パフォーマンス (2026/06/26-2026/07/03)

主要通貨の週間パフォーマンス

出所: セントラル短資

直近1年のS&P500種指数と原油価格の推移

直近1年のS&P500種指数と原油価格の推移

出所: Yahoo!ファイナンス、Bloomberg.com

地域別株価指数とコモディティの週間パフォーマンス[USD] (2026/06/26-2026/07/03)

地域別株価指数とコモディティの週間パフォーマンス[USD]

出所: iShares, Bloomberg.com

今週のマーケット・イベント

7月6日(月)
米6月ISM非製造業景況指数

7月7日(火)
日5月毎月勤労統計調査
日5月家計調査
日5月景気動向指数
日30年国債入札
米5月貿易収支
米3年国債入札

7月8日(水)
日5月国際収支
日6月景気ウォッチャー調査
FOMC議事要旨(6/16-17開催分)
米10年国債入札
決算:ASAHI、吉野家、他

7月9日(木)
日6月マネーストックM2
日6月都心オフィス空室率
日6月工作機械受注
日5年国債入札
米6月中古住宅販売件数
米30年国債入札
中国6月消費者物価指数(CPI)
中国6月生産者物価指数(PPI)
決算:ファーストリテイ、7&I、他

7月10日(金)
日6月企業物価指数
決算:イオン、良品計画、安川電、他

7月11日(土)

7月12日(日)

メルマガを購読 → note夜間飛行ブロマガまぐまぐ